わたしの会社はWebサイトを作っているのですが、その成果を測る指標にCV(コンバージョン)率という考え方があります。
簡単に言うと、「Webサイトに訪れた人のうち、何パーセントの人がお問い合わせなどのアクションをしたのか」という割合のことです。
このCV率、何パーセントくらいが平均だと思います?
Webサイトの種類や内容にもよりますが、概ね1%くらいが基準と言われているんです。
100人来ても、購入したりお問い合わせしてくれるのは1人くらいなんですよね。
ところで、このようにパーセンテージの確率で捉える考え方は、実は日常の仕事でも役立つなと思うことが多いです。
今日は、仕事において使える確率論のお話をしようと思います。
仕事でミスをする確率は何パーセントか?
データとして、どのくらいの確率で人間はミスをしてしまうのか、わたしは知りません。
ただ、少なくても100%ミスをしない人なんていないですよね。
「99%大丈夫です!」という人でも、100回に1回、つまり1%はミスをする。
仕事によっても違うと思いますが、例えばパソコン操作で業務を行う職種であれば、100回のタイピングは平均しても2分以内には行えてしまいます。
仕事における判断やデータ処理、その他諸々のあらゆる業務は常にミスが発生するリスクをはらんでいる。
だから「必ずミスは発生する」という前提に立って、ダブルチェックをしたり、ミスが発生してもリカバリーする仕組みづくりをすることが重要だと思います。
1番よくないのは、「どうしてミスをしたんだ」と責めること。
確率的に言えば誰だってミスをするんです。
ミスをしてもリカバリーできない仕組みがないことこそ一番の問題だと考えましょう。
業務コミュニケーションにおける伝達率
リーダーやマネージャーが、会社のビジョンや考えをメンバーに伝えるとき、それが伝わっているのは何パーセントくらいでしょうか。
これも恐らく1%くらいなのではないかと思います。
会社におけるスタッフの仕事は、概ね99%を日常の業務を占めているはずです。数ヶ月や半年に一回、会社の理念やビジョンなどを伝えたところで、割合としては1%程度。
「とてもいいと思います!」「素敵ですね!」
と、聞いたときは重要だと思ってもらえたとしても、その人の仕事の中ではたった1%くらいにしか過ぎないんです。
だから「どうして伝わらないんだ…」「やる気がないのではないか」なんて思う前に、本当に伝えたいことがあれば、繰り返し伝えること、何度でも思い出してもらえる仕組みが大切なのだと思います。
忘れる確率(忘却曲線)
似たような話になりますが、有名な実験にエビングハウスの忘却曲線というものがあります。
あることを記憶したとき、人が1ヶ月後に覚えているのは21%というお話です。
実際にWebサイトを作る中でよくあるのは、何か問題が発生したときに新しいプログラムを構築して対応するというケース。
その時は試行錯誤しながらなんとか対応して、強烈に記憶に残っているので「同じ問題がまた起こっても対応できる」と思ってしまうんです。
ところが、その問題が1ヶ月後に起こるとほとんど覚えていないんですね。
仕事をはじめて数年の間、本当に何度も同じことを調べなおして作り直すというケースを経験しました。
だから、記憶は基本的に信用できないんです。
対応したことはすべて記録に残すして、同じパターンが出たら即座に対応できるようにマニュアル化しておくことが大事だなと思います。(個人的にはEvernoteにまとめるのがおすすめです)
仕事におけるすべてのものごとには確率がある
こうしてみると、多くのことには確率があるということを強く感じます。
例えば、魔が刺すという言葉がありますよね。
わたしは高校の頃に財布を盗まれたり、昔の職場でウォークマンを盗まれたりしたことがあるのですが、こういうのも確率なんだと思います。
普通は財布を盗んだりしないような人でも、カバンが空いていて財布が見えていると、それだけで盗みを働いてしまう確率が飛躍的にあがる。
仕事でも同じで、よいパフォーマンスが出せる確率をどれだけ上げて、失敗やミスをする確率をどれだけ下げれるか、というように確率で考えてみる。
すると、「努力」「根性」といった精神論ではなく、客観的な分析や判断ができるようになるのです。