わたしが入社した10年ほど前、はじめてやった仕事は「5ページほどのWebサイトを、デザインを元にプログラミングする」という内容でした。
当時はそれだけに、3〜4日くらい時間がかかった記憶があります。しかもミスだらけ。
今なら同じことを1〜2日あればできるでしょう。
そして、プログラミングだけでなく、お客さんとの打ち合わせや企画、分析、進行管理、デザイン、組織づくりなど、広範な業務を効率的にできるようになりました。
振り返ると失敗の連続でしたが、おかげで仕事のスピードは見違えるほど早く、かつ品質も高めることができているのではないかと思います。
今日はわたしがこの10年で身につけた業務効率化のための10個のコツをご紹介します。
1. 業務に必要な情報はすぐに正しいか確認する
Web制作という仕事がら、お客様から様々なツールやサーバーの情報をお預かりすることがあります。
その情報が間違っていたりすることが稀によくあるのです。
例えばログインIDとパスワードの場合、情報をいただいてから数日経って、いざ業務をしようとすると間違っていた…なんてことになると、そこから情報を再確認してもらうことになり、スケジュールが遅延します。
ひどいときは2〜3ヶ月前にいただいたサーバーの情報を確認していなくて、Webサイトの公開直前になって実はサーバーを移転する必要があった…などということもありました。
もらった情報が正しいかどうか、なるだけ早く確認しましょう。
2. 100%間違っていると思って必ず見直す
入社当時から、わたしはとにかくケアレスミスが多かったです。
例えば単純作業を見直しせずに納品してしまい、多数のミスがあって取引先からクレームが入ったり、見積書の金額計算が間違っていたり、Webサイトの機能改修で不具合があったり…思い返すとぞっとすることばかり。
当時はなぜか「自分はミスしていない」「つくるときに意識していたから大丈夫だろう」と思い込んでいたんですよね。
仮に99%ミスをしなくても、100回何か操作すれば1回はミスをしているということ。多くの業務工程は細かく割れば数百以上の操作をしているはずなので、ミスのない可能性はほとんどありません。
どんなに内容がよくても、ケアレスミスはそれだけで信頼をなくすのでもったいないことになります。
どんな作業でも、最後に必ず問題がないか客観的に見直しましょう。
3. 断るときほど返信を早く
依頼を断るなど相手に悪いな…と思うことはついずるずると後回しにしてしまいがち。
「がんばればいけるかも…?」なんて考えて、後になればなるほど、詳細な理由を書いたり、配慮が必要だったり、心理的な負担が大きくなります。
依頼や相談がきた時点で、OK・NGかは即判断して、手を尽くしてもNGのときほど即レスしましょう。
相手側もまだ時間的な猶予があれば、別の対応を検討する余地があります。断るときは、とにかく早く返事をした方が、お互いのためになります。
4. 社内メンバーほど即レス
仕事を社内のメンバーにお願いしていたり、逆にお願いされた場合などは、なるだけ早く返事を返すのがおすすめです。
依頼している場合は、その仕事が進まないと終わらないということ。
質問やチェック依頼などは、すぐに対応できなくても、いつまでに対応するか返すだけで、相手側もスケジュールを調整してスムーズに業務を進めることができます。
また、依頼しておいてなかなか返事がないという状態だと、モチベーションもさがりますよね。
依頼された場合も、対応できるのかどうか、いつまでに対応できるのかを返すだけで、会社全体の業務がスムーズに進みます。
逆にお客様の場合は、予め想定しているスケジュールの範囲内であれば調整できることも多いもの。
また、即レスしていると「なんでもすぐに返事してくれる」と、逆にタスクが増えていき収拾がつかなくなるケースもあります。
あえて返答を遅らせることも、自分の業務全体をコントロールするためには必要だと思います。
5. マルチタスクはしない
わたしのToDoリストには常時10個近くのタスクが入っていますが、今やっているもの以外はほとんど覚えていません。
朝イチで今日何をやるかの優先順位をつけて、あとは完全に記憶から抹消して、今やっているものに集中する。
そもそもマルチタスクを効率的にできる人は、割合として数%だそうです。それ以外の人は効率も品質も落ちるだけ。だったらシングルタスクにしてひとつひとつこなす方が効果的です。
ただ、「他のタスクが心配で気になる」「ついそのことを考えてしまう」という人に「気にするな」といってもなかなかできませんよね。
わたしは幸い(?)気にならないタイプなのですが、心配なタスクがある場合にはいくつか工夫してみましょう。
タスクを分解する
進行遅延が心配な場合は、細かくタスクを分解して、小さくてもできることを少しずつ進めると安心できます。ちょっと取りかかれば、全体が見えてきて「大丈夫そうだ」「間に合わなさそう」と判断ができるので、対応策をとることができます。
電話をかける
相手からの返信待ちや反応が気になる場合は、思い切って電話した方がすぐに結果がわかりますし、意思疎通がスムーズです。うまくいかなかったとしても、それが結果でわかるので、気持ちを切り替えて別タスクに取り組むことができます。
6. 連絡の際には、補足情報をなるだけ添える
自分は背景や経緯などの情報は頭に入っていても、相手側は別のことをしていて頭から抜けている、ということはよくあります。
クライアントでも社内でもこれは同じで、連絡をする際に関連した情報をそえてあげるだけで、とてもスムーズにやり取りができますし、「気が利く」「仕事がしやすい」と評価されることにつながります。
自分で後から見返すときにも便利なので、この一手間はとても効果的ですよ。
7. 好きな仕事をするために、やったことがない仕事にトライする
嫌な仕事をするよりも、「向いている仕事」「好きな仕事」に集中できる方が、モチベーションも生産性もあがりますよね。
だから無理に嫌な仕事をがんばる必要はないと思っています。
でも、食わず嫌いという場合も結構あるんです。
やったことがないことや、嫌だなぁと思っていることでも、何回かやっていくうちに「意外とできそう」「案外たのしいかも」と思うことも少なくありません。
またやってみて「やっぱりムリ」となるなら、それはそれで今後のためによい経験になりますよね。その経験の中で、自分の得意・不得意はより明確になっていくはずです。
だからまずは、言われたことでもフラットな気持ちで「まずはやってみよう」と取り組んで見ることが大切だなと思います。
8. とにかく量をこなして知識を蓄積する
10年やってみて思うことは、仕事のスピードと質は、量に比例するということです。
「なんでこんなにいろいろな仕事ができるんですか?」と聞かれることがありますが、10年やっていれば業務をしてきた時間は約20,000時間。これだけやれば誰でも習熟します。
また、業務に関わることはとにかくEvernoteに記録しているので、1回やれば同じパターンの業務は時間が経っていてもすぐに思い出して効率的にこなすことができます。
そして知っていることが多いと、例え初めてのことでも「アタリ」をつけることができるようになります。
だから(特に若いうちは)とにかく量をこなして、知識はEvernoteに記録していくのが効果的です。
9. 原因ではなく結果を大事にする
何か問題が発生したときに、わたしは原因を無視することが少なくありません。
「なぜこうなったかはわからないけど、なぜかこうしたら解決した」というパターンです。
もちろん推測できる可能性はありますが、検証できない場合は無視して「完了」させる方が、早く次のステップに進めることができます。
一見すると「それで大丈夫か」と思われるかもしれませんが、再現性が低く検証が難しいものに取り組むと、際限なく時間をもっていかれます。
例え原因がわからなくても、解決できる方法があるのであれば、問題はおこならないので、過去にこだわらずに先に進むことをおすすめします。
10. 要所は電話で押さえる
最近はリモートワークの普及が進み、クライアントや社内のやり取りもチャットで気軽にできるようになりました。
こうなると、ついなんでもチャットやメールで連絡してしまいがちですが、やはりテキストだけでは伝えられる情報に限りがあります。
お金に関わることや、こちらの内容がきちんと伝わっているかいまいち自信が持てないこと、相手側にとって難しいことについては、電話をした方がトラブルにならず早く解決できます。
何でも気軽に電話していまうのは考えものですが、要所は電話で押さえた方がスムーズです。
仕事を効率化する方法まとめ
- 業務に必要な情報はすぐに正しいか確認する
- 100%間違っていると思って必ず見直す
- 断るときほど返信を早く
- 社内メンバーほど即レス
- マルチタスクはしない
- 補足情報をなるだけ添える
- 好きな仕事をするために、やったことがない仕事にトライする
- とにかく量をこなして知識を蓄積する
- 原因ではなく結果を大事にする
- 要所は電話で押さえる
こうして振り返ってみると、結構当たり前だなぁと思われる内容も多かったのではないでしょうか。
わたし自身、そんなに特別なこと書いていないなと思いました。笑
でもこういうひとつひとつの積み重ねが、結果的には仕事をはじめた頃の自分と、今の自分を比べての大きな差になっているように思います。
効率化できることは効率化して、品質をより高めていくことができれば、きっと大きな結果になって返ってくるはずです。