- 対象
- 全スタッフ
- 難しさ
- 中
- 実施時間
- 特になし
- コスト
- 特になし
Web制作をしているわたしの会社では「副業」は就業規則で基本NGになっています。
でも、友だちや知り合いなどから相談を受ける機会も多くて、Webサイトやチラシなどをつくってあげたりすることも稀になります。これは半ば公然となっていて、「知り合いから頼まれてこんなポスターを作りました」という話が出たりします。
依頼されてなくても、自分でWebサイトをつくってそこから広告の収益が発生しているというパターンもあります。(このサイトも今は広告を貼っていませんが、いずれ貼ろうかなと思っています)
「他の会社に勤める」という意味での副業ではないのですが、わたしは「会社ではなく個人で仕事をする」って、すごくいいことだと思っています。
というわけで、今日はWeb制作会社に勤めながら、会社とは別に個人で仕事をするということについて、自分の体験談を交えながらよい点をお伝えできればと思います。
一人でやることでスキルの幅が広がる・知識が深まる
わたしの会社は決して給料が高くはないと思っています。わたし自身、入社して数年は毎月の生活にぎりぎりくらいしか給与をいただいていませんでした。
なので、「会社の仕事とは別にお金が入る手段がほしい」ということは当時ずっと考えていました。それも、「自分で何もしなくても自動的にお金が入る仕組み」という、まぁ今思うとあるあるな発想です。
でもその純粋なビジョンに全力を費やした結果、PHPを使った「twitterの俳句や川柳を紹介するサイト」「本の表紙を紹介するサイト」などを次々とリリース。twitterやAmazonのAPIとPHPを連携して全自動でサイトが更新され続ける仕組みを作ることができました。
特に表紙のサイトは、当時「グノシー」に取り上げられ、アクセス過多でサーバが落ちるという貴重な経験をさせていただきました。(今でもあのアクセス数の高揚感は忘れられません)
結果的に収益は平均して月に数千円程度で、その後はSEOの仕組みが変わったことでアクセス激減、更にAPIの仕組みが変わって閉鎖に追い込まれることになりました。
自由になる時間のほぼ全力を費やして(おそらく数百時間以上?)、得られたお金は多くなかったのですが、それ以上に多くのものを得られました。
- PHPやAPI、SEO対策に関する知識・技術
- Webサービスや集客・運用に関する知見
- デザインからコーディングまで一人でものづくりをする力
当時の状況では、依頼されて作るクライアントワークだけでは絶対に得ることはできなかったと思います。これが会社での業務に活かされたことは言うまでもありません。
何より自分にとって大きな自信をつけることができました。
ちなみにその後作ったWebサービスのひとつは今でも動き続けてくれています。
チームや組織でやる意味やありがたみがわかる
自分でつくるWebサービスとは別に、知り合いなどから個人的に相談がきた際には、Webサイトを作ったこともあります。(前提として、会社で請けたくとも予算的に受けられない、という理由もあります)
これは結構大変でした。
知り合いとはいえ、ディレクションからデザイン、コーディング、システムに至るまですべて一人でやらないといけない。当時まだ未熟だった自分にとっては、限られた時間でこれらをすべてこなしていくのはすごく努力のいることでした。
一方で、すべてを自分でやれることや、結果がダイレクトに自分の評価にかえってくることは、とてもやりがいを感じることです。「Web制作」のおもしろさややりがいを強く感じることもできました。
結果として様々な技術やスキルが身についたのと、やりがいを得られたことは自分のキャリアにとってとても大きかったなと思っています。
そしてなにより、チームや組織で働くことの意味も強く感じられました。
なんせすべてを全部自分でやらないといけないのです。相談したりアイディアを出し合ったり、困ったときに助け合うこともできません。
「よりよいものを作りたい」と思ったときに、少なくともわたしにとっては、一人でやるよりも、それぞれの分野で優れたメンバーが協力しながら作る方が絶対にいいものを作れると感じるきっかけになりました。
副業的に仕事をやってみて、他のスタッフに思うこと
役員としてそれなりの給与をいただくようになり、子どもが生まれて時間がなくなってからは、わたしは個人的に制作を請けることはなくなりました。
チームワークで制作をするメリットを考えても、今では個人で独立して仕事をするより、会社でみんなで仕事をする方がよいものができるし楽しいなぁと感じています。
むしろ今では、個人の時間をつかって会社をよりよくするためにどうしたらいいか、ということに時間を使っています。そういう意味では、役員として個人と会社との垣根がほとんどなくなったのかもしれませんね。
わたしの会社では、個人でモノづくりをするのに、積極的な人の方があまり多くない気がしています。(こういうのは公に話しづらいので、役員であるわたしの耳に入っていないだけかもしれませんが…)
それでもチラホラ話しを聞く機会があって、そういうときは逆にすごく嬉しくなりますし、応援したいなぁという気持ちです。業務外での仕事は、絶対にその人にとってかけがえのない経験になると思うからです。
個人での副業を公式に解禁するのは、今の会社での仕事に魅力を感じられなくなって辞めていく…というリスクはあるかもしれません。
でも、それはわたしの会社に魅力がなかっただけで、本人にとってのキャリアや人生にとってその方がいいなら、むしろ応援したいなと思っています。
実際に、わたしの会社では会社や業務に馴染めずに辞めていったメンバーの中には、パートナーとして個人で一緒に仕事をする関係になっている人が複数います。
会社や組織に合わないからといってその人に能力がないわけではないですし、お互いにとってよい関係を築けるのはとても理想的だなぁと感じています。
だから個人で仕事を請けてみよう
そういうわけで、わたしは副業をとってもおすすめします。
- 会社のクライアントワークでは得られないスキル獲得や経験ができる
- 新しいことを主体的にやることで、やり甲斐や自信がつく
- 今の会社との関係やチームでやる意義を改めて考える機会になる
ただし、会社の就業規則で副業についてどう扱われるているかは必ず確認しましょう。OKのところでも事前申請は必要だと思います。
NGの場合でも、副業は「別会社での就業」から「内職・アルバイト」のようなことまで幅広いので、「この範囲までならOK」という見解があるケースもあります。まずは、上司などに内々に相談してみるのがいいかもしれません。
わたしの会社でも公式には副業NGでしたが、当時から上司に話はして内諾をとっておきました。
そのことで逆に評価があがったと思っていますし、自分の努力や技術を認めてもらえる機会になりました。
ちゃんと相談をすることで副業を正式に解禁する機運につながることもあるかもしれません。
ただし、今の会社に損害を与えたり本業に支障を来たさないようにくれぐれも気をつけてくださいね。これらは重大なトラブルになる可能性がありますので絶対NGです。
- 会社に来た相談や依頼を個人で勝手に請ける
- 会社の顧客データや機密情報を流用する
- 会社の勤務時間中に無断で副業を行う
あと、副業を行ってしまうと体調管理やスケジュール管理がとても大変になります。この点だけは十分注意することをおすすめします。
今ならクラウドソーシングのサイトもたくさんあるので、まずは自分にどんなことができるか考えてみるといいかもしれません。
いろいろ気をつけることはありますが、副業とってもおすすめです。
あなたの副業ライフがうまくいくことを祈っています!