- 対象
- 自分個人
- 難しさ
- 中
- 実施時間
- 内容による
- コスト
- 内容による
仕事ができる(と思っている)人ほど、他の人と協力したりチームワークが苦手な傾向になるようです。
今思うととても傲慢なのですが、わたしも自分が優秀だと思っていた時期があり、その頃は仕事を他の人にお願いすることがなかなかできませんでした。
- 自分がやった方が早そう
- うまく指示出しをできるか不安
- チェックや確認など、やり取りに手間がかかる
- そもそも振る相手がいない
もちろん本当に優秀な人でも、クオリティが下がったり、管理の手間を考えて、なかなか部下や後輩、外注にふることができないように思います。
自分ひとりで抱えこんでしまい、リソースはやがて大量の仕事に分散され、ミスが増え、仕事の質が落ちてしまう…。
逆説的ですが、こうなるとチームワークは育たず、自分は疲弊し、「仕事ができない人」になってしまいかねません。
今日は仕事を人にまかせるマネージメントを通じて、自分だけができるコアバリューに集中する方法を考えます。
まずは何が自分の仕事の核(コア)なのかを考える
「あなたの仕事で最も重要なことはなんでしょうか?」と聞かれて、すぐに答えられる人はあまりいない気がします。
例えばWebサイト制作の仕事なら、一般的には「よいデザインを作ること」が重要と考えられがちです。
しかし、実際に手を動かしてデザインをする制作業務は、実はWeb制作の全体目的から考えると、コアバリューではありません。
クライアントにとっては、最終目的、例えば「売上が上がる」を達成できればいいのです。
となると、「売上を上げるための課題は何か?」「どんなデザインやコンテンツにすればそれを解決できるのか?」を考えることが、最もコアバリューと捉えることができます。
(仮にあなたがデザイナーの場合でも、その中で重要な仕事と、そうでない仕事があるはずです)
このように最終目的から逆算し、あなたでなければできないことを考えると、自然と「人に任せられる仕事」が見えてきます。
「自分で仕事をすること」ではなく、「結果を出すこと」が目的だと考えるのです。
仕事を「自分の時間」の損得で考える
例えば、「わたしがやれば2時間かかる仕事を、部下に任せると4時間かかってしまう。だからわたしがやった方が早い。」という理論で考えてしまうことはないでしょうか。
部下に任せると4時間かかるかもしれません。でも、指示出し・チェック・確認などをするあなた自身の時間は、1時間で済みます。
あなたにとっての時間は、1時間浮かせることができるのです。
また、仕事を任せられる方も、はじめは時間がかかっても、やがて成長します。
あなたと同じように2時間で終わらせることができ、ミスがなくなり、指導も不要になれば、チーム全体の時間はもっと短縮できますよね。
あなた自身も、自分のコア業務に集中できる時間を持つことができるようになり、ますます結果を出せるようになります。
時間の損得は「自分の時間」だけで考えてみてください。
部下や後輩の得意分野を見極める
どんな人にも向き・不向きがあります。
「部下や後輩が仕事ができない」というのは、「得意分野を見つけられていない」「成長させていない」というだけかもしれません
例えばわたしの後輩で入ったNくんは、はじめは社内の仕事がなかなかうまくできませんでした。
でも彼は、頼む仕事は決して断らないタフさを持ち、芽が出ない間も仕事をし続けました。
入社から1年ほど経った時、Nくんははじめて一人でお客様へ訪問しました。それが楽しかったと言います。
Nくんは、お客様に頼られていることを実感できたこと、直接話せることに仕事のやりがいを見出したのです。
まるで友だちと話すように、電話でお客様と楽しそうに話すNくんは初めて見る姿でした。
「お客様と話すのが好きで訪問が苦にならない」は、社内の業務だけでは決して見つからなかった特性で、コミュ障で緊張してしまわたしにはないものです。
入社から5年で、Nくんは新規案件の訪問に真っ先に行きながら、月に5〜6件の定期訪問コンサルティングをする頼れる人間になりました。
誰でもなにかしらの得意分野があります。
それを普段の仕事や面談などを通じて、どれだけ見つけることができるか、育てることができるかが大切だと、改めて実感したできごとです。
得意なこと・好きなことをどんどん任せると、さまざまな分野で自分よりももっと仕事ができる人に育ちます。
やがて、それぞれの得意分野を活かすチームワークが生まれていくことになります。
そもそも仕事を振る相手がいない、なら作ろう。
わたしが会社に入った頃、1年近く後輩がいない期間がありました。
時短術などのビジネス書を読むと、よく「部下や後輩に仕事を振ろう」と書いてありますよね。
振る相手がいないわ!
な状態で、当時は毎日深夜残業でした。だって下っ端の自分以外にやる人がいないんですから。
でも社外ならどうでしょうか。
同業他社やフリーランスはもちろん、今はクラウドワーキングが広まり、かなり低単価で様々な依頼をできるようになってきました。
例えばあなたが残業すると、1時間につき残業代が3,000円発生するとします。これで3時間の業務をすると9,000円です。
一方外注さんへの依頼が6,000円でできるのであれば、会社にとっても得になります。
上司から「外注へ頼もう」などと言ってくれることは少ないでしょう。
自分でコストを考えて、会社へのメリットをプレゼンし、実際にパートナーとなる人を探して打ち合わせし、仕事を振ってみる。
はじめは大変に思えるかもしれません。
でもひとつお伝えしたいのは、頼れる先があると、仕事はとんでもなくラクになるということです。
参考記事
仕事を他のスタッフやパートナーさんにまかせて、自分のコア業務に集中する方法まとめ
- 何が自分にとって仕事の核(コア)なのかを考える
- 仕事を振る時は、「自分の時間」の損得で考える
- 他のスタッフや後輩の得意分野を見つけて任せる
- 仕事を振る相手がいないなら、外注に振る
いかがでしたか。
人に任せてチームワークで仕事をすることで、結果的に自分にしかできないこと、自分が本当にしたいこと、に注力できるようになります。
以前は仕事が発生すると「どうやったら自分でこれをやれるか」を考えていたのですが、今では「誰にこれをお願いできそうか、誰を一緒に仕事しようか」と考えるようになりました。
仕事を振ることができるようになって、私は本当に仕事が楽に、しかも楽しくなりました。
仕事を振ることに抵抗がある方、ぜひ試してみてください。
きっと新しい発見があるはずです。