コミュニケーション

ストレングス・ファインダーを会社のチームワークに活かそう

3.0
対象
全スタッフ
難しさ
実施時間
1時間程度
コスト
約7,000円/人
効果
  • 自身の強みやキャリアを考える材料になる
  • お互いを理解して、弱みを共有し強みを活かし合うことができる
  • チームワークやリーダーシップに活かすことができる
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ストレングス・ファインダーでスタッフの個性を把握し、会社のチームワークに活かそう

「ストレングス・ファインダー(※現クリフトンストレングス)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

アメリカの有名企業ギャラップ(Gallup)社が開発した一種の性格診断のようなものです。ただ、世界的な世論調査の会社が開発しただけあって、その内容はデータに基づいたとても合理的なもの。

簡単に言えば、その人の持つ「強み=才能」の資質がわかるというものです。

わたしの会社では、このストレングス・ファインダーをスタッフ全員に受けてもらっています。
それぞれのメンバーが、何を強みにしていて、何が苦手なのか。

それぞれの個性を把握することで、ひとりひとりとの接し方や仕事の任せ方などチームワークに役立てています。

もちろん、わたし自身も自分にどういう傾向やクセがあり、なにに強みを発揮できるのかを知ることができて、自己分析にとても役立ちました。

今日はそんなストレングス・ファインダーの会社での活かし方を考えたいと思います。

ストレングス・ファインダーでわかる34の資質

診断を受けると、自分の資質がわかります

ストレングスファインダーでは、Webサイト上で177個の質問に答えていくことで、「強みの元=才能」を34の資質が、その人にどのような強さで現れるかを示してくれます。

34の資質は、それぞれ強みだけでなく、裏返せば弱みを示すものでもあります。
大きく分けて、4つの領域にわけられます。

影響力
主導権を握り、はっきりと意見を表明し、確実に他の人の耳を傾けさせるのに役立つ資質

最上志向個人や集団の卓越性を高める手段として、強みに注目します。優れたものを最高レベルのものに変えようとします。
自我大きな影響を与えることを望んでいます。独立心に富み、組織や周囲の人々に与える影響の大きさに基づいてプロジェクトに優先順位をつけます。
活発性アイデアを実行に移すことにより結果をもたらします。単に話すだけではなく、いますぐ実行することを望みます。
自己確信自分の能力と判断力に自信を持っており、リスクを冒すこともあります。まるで、自分が正しい方向へ進んでいることを教えてくれる羅針盤が体内に備わっているかのようです。
競争性自分の進歩を他の人と比較します。コンテストで勝つために、相当な努力をします。
指令性存在感があります。状況の主導権を握り、決断を下します。
コミュニケーション一般的に自分の考えを言葉に表すのが得意です。話術に優れ、物事を印象的に説明するのが上手です。
社交性知らない人と出会い、惹きつけ味方につけることが大好きです。見知らぬ人と打ち解けて親しくなることから満足感を得ます。

戦略的思考
情報を取り入れ、分析し、より適切な判断を下すのに役立つ資質

分析思考物事の理由と原因を追求します。状況に影響を与える可能性のあるすべての要素を考慮に入れる能力を備えています。
戦略性目的に向かうための選択肢を想定することができます。いかなる想定に直面しようとも、適切なパターンと問題点を直ちに予測することができます。
着想新しいアイデアを考えるのが大好きです。見た目には共通点のない現象に、関連性を見出すことができます。
学習欲学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいます。結果よりも学習すること自体に意義を見出します。
原点思考過去について考えるのが好きです。歴史をたどることにより、現在を理解します。
内省知的な活動に多くの時間を費やします。内省的で、知的な議論が好きです。
未来志向未来と未来にできることを心に描くことで、ひらめきを得ます。未来についてのビジョンを語ることで、人々にエネルギーを与えます。
収集心収集や蓄積を必要とします。その対象には、情報、アイデア、人工物だけでなく、人間関係も含まれる場合があります。

人間関係構築力
チームを団結させる強力な人間関係を構築するのに役立つ資質

ポジティブ情熱的であり、しかも自然にその熱意を人に分け与えることができます。生き生きとしており、他の人たちに活気を吹き込み、やる気を起こさせることができます。
親密性他の人たちとの緊密な関係を楽しみます。目標達成のために友人と努力することから、大きな満足感を得ます。
個別化一人ひとりが持つユニークな個性に興味をひかれます。異なるタイプの人たちの集団をまとめ、生産性の高いチームを作ることに長けています。
調和性意見の一致を求めます。意見の衝突を嫌い、異なる意見でも一致する点を探ります。
共感性自分を相手の状況に置き換えて考えることにより、相手の感情を察することができます。
運命思考あらゆる人や物事は互いに結び付いていると考えています。この世に偶然というものはほとんど存在せず、ほぼあらゆる出来事には何らかの意味が存在すると確信しています。
包含相手を受け入れることができます。人の輪から外れている人に注意を払い、そのような人を輪に入れようと努力します。
適応性流れに沿って進むことを好みます。「今」を大切にし、それぞれの時点で進む方向をひとつずつ選択することにより、将来を見極めます。
成長促進他の人の持つ可能性を認識し、それを伸ばします。小さな進歩の兆候を見逃さず、成長の証に満足感を得ます。

実行力
ものごとを成し遂げるのに役立つ資質

アレンジ多くの物事を整理し組織化することができると同時に、この能力を補完する柔軟性も備えています。すべての要素と資源をどのように組み合わせたら、最高の生産性を実現できるのかを考えるのが好きです。
目標志向目標を定め、その目標に向かってまい進し、目標達成に必要な修正を行うことができます。
優先順位をつけてから、そのとおりに行動します。
信念核となる普遍的な価値観を持っています。これらの価値観は、彼らの人生に明確な意義をもたらします。
規律性日課や身のまわりを秩序だてることを好みます。世界は自分の考えた秩序で説明できると考えています。
公平性あらゆる人を平等に扱う必要性を確信しています。明確なルールを定め、それに従うことで、世界のすべての人を公平に扱おうとします。
責任感一度やると言ったことに対して、心理的に責任意識を持ちます。正直さや忠実さなどの普遍的価値を大切にしています。
回復志向問題を解決するのが大好きです。どこに問題があるのかを探りあて、それを解決することに長けています。
達成欲並外れたスタミナがあり、旺盛に仕事に取り組みます。自分が多忙で生産的であることに、大きな満足感を得ます。
慎重さ決定や選択を行うときに細心の注意を払います。あらゆる道のりには、危険や困難が待ち受けていると考えています。

ここに書いたものは、あくまで単純化した概要です。
例えば、同じ資質を持っている人でも、他の資質との組み合わせによって、その表出の仕方や内容が変わったりします。

ストレングスファインダーの会社での活用方法

診断後に出てくるレポート、資質ごとに詳しい説明が書いてある

さて、わたしの会社では、全員にストレングスファインダーを受けてもらい、それぞれの強みの資質といったレポートを共有してもらいました。

「あたっています!」「ほんとそうだなと思います」といった感想が多かったのですが、このデータを基づいて次のようなことに役立てています。

1.自分の傾向を理解して、自己理解に役立てられる

自分自身にどのような特性があるのかを知ることは、この先のキャリアや働き方を考える上でも重要です。

例えば、わたしは「分析」「戦略」などロジカルが強い反面、「共感性」「社交性」などが低く、人との関係をつくるのが上手いとは言えない…ということを自分でも強く感じています。

だから「とりあえず話を聞きに行く」営業的なアプローチよりも、「情報を把握してから考える」仕事をする方が向いているようです。

このように、自分が何を強みにしていて、何が苦手なのかを理解することは、どういった仕事を強みにしていくか考えることで重要になります。

ストレングスファインダーの基本的なアプローチは、「苦手なことを平均にする」よりも「強みに着目してそれを伸ばす」こと。この先の自己実現を考えたとき、自分の資質を理解することはとても役に立ちますよ。

2.弱みを改善するのではなく、強みを活かし合える

チームワークは、「強みを活かし合う」ということですよね。
苦手なことがあっても、それを強みとする人が行った方が効率的ですしモチベーションも発揮できます。

わたしはよくRPGゲームのパーティーに例えるのですが、戦士は前衛で戦い、魔法使いは後衛で回復をサポートする。全員が戦士になるよりも、それぞれの資質を活かすことが強いパーティーをつくることにつながっていると思います。

ちなみにわたしは、妻さんのすすめでストレングスファインダーを受けました。
そのときに「こんなに共感性が低いんだ。だから言わなくても伝わるなんて無理だね。これからは言葉で伝える」と言われたことがとても印象に残っています。(だから家族で受けるのもおすすめです)

お互いの強みや弱みを共有することで、チームワークにとても役立てる。ストレングスファインダーは個人だけで受けるよりも、会社やチームで受けることで、より活用の幅が広がります。

3.リーダーシップに活かせる

リーダーは自分の成功体験にとらわれやすいという話を聞いたことがあります。

よく聞くのが、成功した営業マンがマネージャーになると「わたしはこのやり方で成功したから、みんなにも同じやり方をやらせよう」と考えて失敗するパターンです。

人には一人ひとりの性格や特性があります。

例えば、最上志向を持っている人には「最高のクオリティを追求しよう、そのためにはどうしたらいいと思う?」といった言葉がけをすると、モチベーションが高まります。
逆に「苦手なことを克服して、平均レベルまでは持っていこうね」ということに対しては、あまり興味を持つことができません。

一人ひとりの資質に合わせて言葉がけをかけることは、ささいなことのようにも思えますが、その人の持つ強みを発揮しやすい環境をつくっていくことに欠かせないのです。

特に、VUCAと言われる予測不能な混沌とした時代にあっては、多様な意見や考え方こそが成功にはかかえないと考えています。

資質が異なることを理解した上で、それぞれの意見や考え方を尊重することは、これからのリーダーシップに欠かせないものでしょう。

ストレングスファインダーを受けるには?

さて、そんなストレングスファインダーを受けるにはどうしたらいいでしょうか?
ストレングスファインダー公式サイトでも案内されていますが、3つの方法があります。

  • アクセスコード付きの書籍を購入
  • Webサイトで直接アクセスコードを購入して診断
  • スマホアプリを使用

この中で一番オススメなのは、「アクセスコード付きの書籍を購入する」ことです。

Webサイトやアプリでも診断だけなら受けることができますが、ストレングスファインダーが実際どのような考え方に基づいているのか、自分だけではなく全体でどんな強みがあるのかなど、より深く理解することができます。

ちなみに、書籍についているアクセスコードは、1回(一人)までしか使えませんのでご注意ください。Webサイトやアプリでも、1回(一人)ごとに費用がかかります。

ストレングスファインダーの診断費用

書籍で知ることができるのは、TOP5の資質だけです。34の資質すべてを知りたい場合には、追加で費用を支払う必要があります。診断にかかる主な費用は以下の通りです。

TOP5の資質を知る追加で6〜34の資質を知る新規で34の資質すべてを知る
書籍1,980円4,680円
Webサイト・アプリ2,340円4,680円5,850円

わたしの会社では、全員に以下の書籍を買って、追加で34の資質すべてを解放しています。

実際にストレングスファインダーをやってみて

まず素直な感想としては、全員のさまざまな資質がわかって「おもしろかった」というのが一番です。

このひとはこういう資質が強く、逆にこういう資質が弱い。なんとなくは感じていることでも、改めて分析という形で見えることで、よりその人の人柄や性格を理解できたように思います。

また、1on1での目標面談だったり、チームを編成する際には、個々人の資質にあったアプローチをすることで、より強みや特性を活かすことができるようになったと感じています。

また会社(あるいはチーム)全体としての強みを考える意味でも、じゃあ自分たちにないものはどうするのか?考えるきっかけにもおなりました。

実際わたしの会社は、どちらかというと内向的なタイプが多く「営業」という外向きの活動に弱いため、パートナーさんと連携することを模索しています。

このように、個人的にも、チームや会社としても、ストレングスファインダーはとても役立てることができました。新入社員の方など、特に性格や傾向がつかめない人を理解するのにも効果的かもしれませんね。

皆さんもストレングスファインダーを使って、よりよいチームワークに役立ててみてはいかがでしょうか。