仕事のスケジュール予想の1.6倍

あなたの予想より1.6倍の時間がかかります

あなたは今担当している仕事が、どのくらいの時間で終わるか予想できているでしょうか。

カリフォルニア大学が行なった実験に、「卒業論文にどのくらいの日数がかかるのか予測してもらい、実際にかかった時間と比較する」というものがあります。

学生たちが予測した平均日数は33.9日。

そして実際にかかった平均日数は55.5日。

つまり予想よりも1.6倍もの時間がかかったのです。

予想よりも早く終えた学生は30%もいませんでした。

この見積り工数と、実際の工数の差は、仕事でも痛いほど実感します。

わたしも未だに「順調に行けばこのくらいで終わる」と、「順調に行く」という前提でスケジュールを立ててしまうんですよね。

特に仕事にまだ慣れていないときは、どのくらいの時間がかかるのかを甘く見がちです。

急に仕様の変更が入ったり、情報が足りてなかったり、別の仕事が入ったり、体調が悪くなったり…実際には、想定外の困難が待ち受けているもの。

この1.6倍の時間というのは体感的にもすごく納得できる数値です。

つまり、自分が思っているよりも1.6倍の時間はかかる、という前提に立って仕事をすることが、計画通りスケジュールを進めるためには必要になります。

今日は具体的にどのように想定すればいいのかを考えてみたいと思います。

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長期スケジュールは、1日10分の探りを入れる

見積り時間と実際の時間に差が生まれる要因のひとつに、「実際にやってみたら思ってたのと違った」ということがあります。

実際に手をつけなければわからないことは多いもの。

特に締切までの時間が長い場合は、つい放置をしてしまい、直前になって致命的な問題な気づく、というケースが一番失敗に繋がりやすいものです。

こうなってしまうと1.6倍の時間想定でもリカバリーできない事態になりかねません。

そこで、締切が先のものであっても、1日10〜20分だけ手をつけるなど、探りを入れることをおすすめします。

なにか問題があっても早めに把握できれば、対策はいくらでも立てられますし、少しずつでも進められれば心理的なプレッシャーは大きく軽減できます。

締切の設定は、1.6倍の数値に+数日を見込んで出す

仕事術の本に、よく「締切を実際よりも数日前だと思って行動しましょう」と書いてありますよね。

これは逆パターンで、自分が締切を設定するときは、1.6倍くらいの数値を見込んだ上で、更に1日〜数日くらいプラスしておくというものです。

わたしはよく「遅くとも◯日には対応します」という話し方をします。

そして可能な限り前倒しで案内します。

聞き手としては、締切は確実に守ってもらえる方がよいですし、前倒しで対応してもらえると嬉しいもの。

もちろん、「どうしても◯日までに対応してほしい」という相談はつきものですが、そういった無理なご要望に応えるためにも、全体のスケジュールに余裕をもっておくことが重要になってきます。

仕事に慣れていないときほど、「こんなにかかるの?」「仕事が遅いんじゃないか?」と思われないかを心配する人がいますが、それよりもミスなく締切を丁寧に守る方がよっぽど重要ですし、信頼につながりますよ。

他の人に仕事を依頼するときも、1.6倍の時間を見積もろう

入社したばかりの頃は、1日で終わると思った仕事に1週間近くかかったり、仕事が終わらずに徹夜で対応したり…なんてことがたくさんありました。

多くの場合は失敗の体験によって、徐々に見積り工数は最適化されていくと思います。

ただ経験が一定以上に増えていくと、今度は「前はこのくらいでできたから、今回もこのくらいだろう」と逆に想定が甘くなっていくこともまた多いなと感じます。

特に実際に自分が手を動かさずに仕事を振る立場になると、「こんなに時間がかかるの?」と思ってしまうこともしばしばです。

実際に手を動かす立場だと、予想外のことで時間かかると思うことでも、マネージャーの立場になるとそれがわからなくなってしまうんですよね。

だから、この見積り工数は自分だけでなく、一緒に仕事をするチームやパートナーさんにも適用して考えておくと、自分自身も余裕をもってスケジュールを立てやすくなりますよ。

1日のスケジュールは、5/8時間を想定する

長期的な内容だけではなく、1日の予定についてもこの1.6倍という数値は当てはまります。

例えば、今日やりたい、やれるだろうというタスクが10個あったとして、実際にできるのは6個くらい。

会議が長引いたり、急にお客さんから長電話がかかってきたり、突然PCがフリーズして再起動したり…大体人間の集中力なんて1日続きませんよね。

そこで1日のスケジュールも、今日確実にこなしたい優先項目を絞り込むことをおすすめします。

具体的には、仕事ができるのは8時間中5時間という想定で動く

3時間はできればラッキーくらいで、考えておく。

そうすると余裕をもって仕事に取り組むことができます。

とにかく1日のうちに確実に終えたいタスクを絞り込むことが重要です。

あまりにも重要タスクが多い場合は、(できればそんな事態になる前に)周りにヘルプを出したり相談したり、外注さんに振るなどの判断をしていくことが大切です。

仕事のスケジュールを、予想の1.6倍の時間で考える方法まとめ

  • 長期スケジュールは、1日10分の探りを入れる
  • 締切の設定は、慎重な数値に+数日を見込んで出す
  • 他の人に仕事を依頼するときも、1.6倍の時間を見積もろう
  • 1日のスケジュールは、5/8時間を想定する

改めて見ると、こんなに時間に余裕を見ないといけないの?と思ってしまいますが、少なくとも残業や長時間労働をなくそうと思うとこのくらいの想定は必要だと思います。

実際に深夜残業が常態化していた頃は、ミスや失敗がとても多かったです。

それをリカバリーするためにまた仕事が増えて…となると、またスケジュールがずれてしまったり無理が続いたりしてしまいますよね。

わたしの会社がほぼ定時で仕事ができるようになったのは、一人ひとりがこういった仕事の見直しをしていったからだと思っています。

想定外を想定することが、結局は仕事の品質を保ち、信頼を積み上げることに繋がります。

なかなかスケジュール通りに進まないと困っている方は、ぜひ一度時間の見積りを見直してみてはいかがでしょうか。

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プロフィール
cotau

とあるWebマーケティング・制作会社の役員をしています。このブログでは、私たちの会社のリモートワークやチームビルディングの取り組みを発信していきます。

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