もう無理の先にある可能性の平原

「もう無理」の先に、可能性の平原がある

何年か前にコーチングのグループ研修を受けたことがあります。

そのときに印象に残っているのが、「この橋の渡り方は何通りあるか」というものです。

例えば、歩いて渡る・走って渡る・スキップしながら渡る…などなど。

何通りあると思います?

最初は、普通に考えたら10〜20通りくらいかなと思いました。

ところがこれが無限に出てくるのです。

研修のときには、2mくらいの幅を橋に見立てて、10人くらいで順番にぐるぐると実際にその仕草をしながら渡るというものだったのですが、多分制限時間である10分以上は周り続けたと思います。

「食べながら」が出ると「飲みながら」が出る。
「側転しながら」が出ると「バク転しながら」。
「車で」が出ると「バイクで」「自転車で」。

こんな感じでアイディアは100個くらいは出たと思います。

連想ゲームのように、何人かで意見を出し合うと、思わぬアイディアが出てくるんですよね。

一人だったとしても、これはもう無理だろう、と思ってからが可能性が広がる。

そんなことが結構あるなぁと思うのです。

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あまりにも過大な業務量にどう対応するか

仕事で言えば、過大な業務量にどう対応するか、というものがあります。

多くの人は、負荷がかかりはじめると、最初は自分の仕事のやり方を改善して効率化したり、残業したりして、なんとか対応を試みますよね。仕事の手を抜く、という人もいるかもしれません。

ところがある一定のラインを超えると、疲れがたまって効率が落ちる。ミスが頻発しはじめる。

100%の力というものは、その状態で問題なく継続できる状態だと考えています。つまりまだ余裕がある。

ところが、このラインを越えて120%くらいの負荷がかかると、どこかに無理が出てくる。一時的には対応できても、この状態では回し続けられない。

130〜150%くらいになると、個人の努力では「もう無理」となるはずです。200%なんて絶対に対応できないと思います。

ところが、仕事をやっていると、この200%をどうしてもやらないといけないケースが出てきます。

人間そこまで追い詰められてはじめて発想が飛躍するんですね。橋を渡る順番になってはじめて必死に考えるんです。

例えば、絶対に分担できないと思っていたことを、自分で外注さんを探してお願いする。根本的に役割を見直して、複数のメンバーに声をかけてアサインしてもらう。

そうやって200%を一度達成できると、常時の対応力が150%くらいにぐっと広がりますし、そもそも200%にならないように、スケジュール管理や仕事の見極める力がつくようになります。

もちろんマネージャーとしては、メンバーが200%の状態になんてならないように、仕事を断ったり調整したりするのが重要な役割です。

でもときに、やむを得ずそういう状態になることが、飛躍的な成長につながることがあります。

※ただ、少なくてもその状態が持つのは心理学的に1ヶ月くらいです。3ヶ月超えるとうつ病などのリスクが飛躍的に高まる。そんな仕事を頻繁・長期に押し付けられるような職場は第三者に相談する・退職する・労基に相談することをおすすめします。ある意味それも「もう無理」となってから見える可能性のひとつかもしれません。

アイディアの質はアイディアの量に比例する

「もう無理」の先にある可能性のひとつとして、「アイディアの質は、アイディアの量に比例する」という話があります。

素晴らしいアイディアや画期的な企画は、天才的なひらめきではなく、単純にそれを考えた数(時間)に比例するというわけです。

10〜20のアイディアは、普通の人でもちょっとがんばれば考えることができます。つまりありきたりで、既に誰かが考えたものです。

ところが「もう無理」となったあとも、とにかく何でもいいから100とか1000のアイディアを出し続けると、突拍子もなくて誰も考えたことのないきらめくようなアイディアが出てきます。

カメラマンさんと写真を撮ったことがある人ならご存知かもしれませんが、写真って1枚入魂で撮るわけではないですよね。

いろんなアングルやズームで何十枚も何百枚も撮る。その中から使えるのはほんの1枚だったりします。

表に見えていることだと、まるで天才的な結果をいきなり出せるように見えますが、そういうのは「もう無理」の先を越えた、圧倒的な量に依存しているんです。

継続が可能性を広げる

アイディア出しは一時的なものに感じるかもしれませんが、もう一つ似たようなものに「継続的に続ける」ということがあります。

例えば、大学である課題を2週間の期間で出したときに、「最後の1日で一気にしあげる人」と「毎日少しずつする人」でどちらが結果がよかったかを調べる実験があります。

その結果、実際に取り組んだ時間が同じでも、「毎日少しずつやる人」の方が結果がよかったというデータがでました。

つまり毎日少しずつでも考えることが、頭の中を整理したり、いろいろな可能性を考えながら取り組めるのですね。

一気に仕上げると、どうしても考え方が偏ったり、見落としがあったり、ミスをしたりする。

一気にやる方が楽なんです。毎日続けるのは「今日はもう無理」となりやすい。

でもその先に、やっぱり可能性が広がっている。

一見すると短時間ずつやるのは、毎日準備をしたり、どこまで進んだか考えを思い出し、非効率に見えるかもしれません。

でも、そのイメージと裏腹に「その方が良い結果になる」ということがデータとして科学的に証明されているのです。

限界の先に、見たことのない可能性が広がっている

実は今日こんな記事を書いたのは、ブログの記事のアイディアのストックが切れたからです。

「毎日ブログを更新し続けるなんてもう無理」そう思ってからが、新しいアイディアが出てくるから不思議ですよね。

「もう無理」となった限界の先に、まだ自分の見たことのない可能性が広がっていると思うと、ちょっとワクワクしませんか?

絵をうまく描くとか、何かのデザインとか、仕事のクオリティとか。

そんなこと全部ひっくるめて、「もう無理と思えるくらい量をこなすこと」「継続的に続けること」が可能性を広げていくのだと思います。

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プロフィール
cotau

とあるWebマーケティング・制作会社の役員をしています。このブログでは、私たちの会社のリモートワークやチームビルディングの取り組みを発信していきます。

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