- 対象
- 全スタッフ
- 難しさ
- 中
- 実施時間
- 約15分/月1ミーティング
- コスト
- ¥500/人(GoodJob!の場合)
- 効果
- お互いに協力し助け合うチームワークが育まれた
- 周りに献身的なタイプの人を表彰できる機会ができた
- 仕事が円滑に回るようになった
感謝の気持ちを伝え合い、助け合えるチームをつくる
「忙しいときに手伝ってもらった」「難しい課題にアドバイスをくれた」皆さんはそういうとき、「ありがとう」という気持ちをどのように伝えているでしょうか。
多くの場合「助かりました」「ありがとう!」と、その人個人には伝えていると思います。でも、他の人にはその言葉は見えていないことが多いですよね。
「ありがとうバッチ」は、そんな感謝の気持ちを、会社全体にも見えるように伝え合う仕組みです。さらに、毎月たくさん「ありがとう」をもらった人を表彰し、感謝の気持ちを伝える専用の缶バッチを進呈しています。
この仕組みを導入してから、目立たないけどいつも周りのために動いてくれる人にスポットライトがあたったり、率先して周りと助け合う雰囲気が生まれました。
結果としてお互いをフォローしあい、仕事を一緒にやっていくというチームワークが育まれていったように思います。
今日はそんな「ありがとう」を伝え合う取り組みをご紹介します。
「ありがとうバッチ」の具体的な仕組み
「ありがとう」を送り合う仕組みはどのようなものでしょうか。
わたしの会社では、現在「GoodJob!」というサービスを利用しています。
このサービスの仕組みは、簡単に言えば次のようなものです。
- 全員が閲覧できる掲示板に、ありがとうと伝えたいことを書き込む
- 相手に通知が行き、ポイントが送られる
- ポイントがたまると、設定したアイテムなどに交換できる
- 管理者は、管理画面からポイントの集計などができる
ちなみにチャットワークなどのビジネスチャットとも連携できるので、わたしの会社ではGoodJob!に書き込んだ内容が自動でチャットに流れるようにして、すぐに社内に伝わるような仕組みにしています。
また、月に一回集計をおこなって、「ありがとう」をもらった人を表彰したり、送った人を発表するミーティングを行っています。
更に1ヶ月で一番ありがとうを集めた人には「ありがとうバッチ」を進呈しています。
このバッチは「あ」「り」「が」「と」「う」という5つのバッチがあり、全部をコンプリートした人には、特別なアイテムをプレゼントするという仕組みです。
まだコンプリートできた人はいませんが、みんなこれを集めて机に飾っています。モノとして感謝の気持ちが残っていくので、これをもらえるのはとても嬉しい瞬間です。
ありがとうを伝え合う仕組みを成功させるポイント
この仕組みを成功させるにはいくつかポイントがあることがわかりましたので、いくつかご紹介しましょう。具体的に紹介すると次の3点です。
すぐに全体に通知されること
取り組みをはじめた当初は、「ありがとう」はGoogleフォームを利用して送っていました。しかし、送信しても通知がされないため、送ったという実感が薄く、もらう側も月に一回の発表でしか受け取ることができません。
これでは送る気も削がれますし、周りの人が使っているかもわからないので、つい忙しい業務の中で存在を忘れてしまいます。これはGoodJob!でも同じで、普段の業務で利用しているチャットワークと連携させてはじめて、存在が認識され、活用されるようになりました。
速報性と共有性は、この取り組みを成功させるのに最も重要です。
とにかく手軽に送れること
これも同じなのですが、Googleフォームでは、わざわざフォームを開いて記入しなければならないので、つい億劫になってしまいます。
必ずしもGoodJob!のような専用のツールを利用する必要はありませんが、とにかく気軽に簡単に送れるものが望ましいです。チャット形式で送れるものがいいですね。
ツールだけに任せっぱなしにしない
GoodJob!に限らず、今はこのような仕組みを提供しているツールはたくさんあります。しかし、どんなに優れたツールでも、人から直接伝えられる感謝に勝るものはありません。
ミーティングの機会を月に一回はつくって、TV会議でもいいのでリアルに表彰する機会をつくりましょう。また、缶バッチのようにモノとして形に残るものがあると、より感謝の気持ちを伝えることができます。
なぜ「ありがとう」を会社全体で共有することが大切なのか
周りの人が困っているときに助けることは、実はとても難しいことだと思っています。
特にその仕事が自分の直接の担当ではないものだとしたら、自分の仕事時間が減るだけではなく、自分の評価や業績にはつながらないからです。
すごく打算的な見方ですが、こういう考え方は忙しかったり余裕がなかったりするとき、人間誰しも起こるものだと思います。
わたし自身、まだチームではなくほとんど個人ごとに別の仕事をしていた時期には、自分のことで精一杯で、なかなかそんな気持ちをもつことができませんでした。
一方で、自分が大変なときでも「周りの人を助けたい」と思ってくれる人もいます。いわゆるギバーと呼ばれるこのタイプの人は、献身的に周りに尽くすので、結果として自分自身の仕事で成果が出なかったり、長時間働くことになってしまうことも少なくありません。報われない献身が続くと、モチベーションが落ちることもあり得ます。
会社全体として見れば、困った時にお互いに助け合うことができるのが、もっともチームワークが発揮できている状態ですよね。
わたしの会社では「ありがとうバッチ」の仕組みを取り入れることで、
「改めて感謝をもらえて嬉しい、もっとがんばろう」
「今回たくさん助けてもらったから、お返しをしよう」
「この人はいつも周りを助けているんだな」というように、
助け合う気持ちをお互いに育むことができました。
チームワークがうまく機能していない、協力したり助け合う機運が少ないという方、ぜひありがとうを伝え合う仕組みを取り入れてみてください。